考古学ブログ: Ours! 近江貝塚研究会

その事務局員が成長を目指して綴るバラエティー

考古学に活路を見出したい人のためのブログ。近江貝塚研究会は、日本で一番ゆるくてハードな考古系研究会。毎月1回の例会は参加費無料・飛び入り歓迎。近江・貝塚・縄文の枠を取り払って学び合います!

新屋雅明さん著 『縄文時代後・晩期土器編年の研究』刊行のご案内です。縄文時代文化研究に情熱的に取り組んで来られた新屋雅明さんは、201112月にご逝去。その後、新屋さんのご研究業績を1冊の著作集として刊行する準備が埼玉の金子直行さん達によって進められ、六一書房から5月中旬に刊行されるそうなのでご案内。詳細の参照・ご購入は下記のホームページからが便利かも知れません。→ http://www.book61.co.jp/book.php/N52968


 目次等は以下の通り。縄文文化の中に幾つかある大きな変動期に関わるご研究だけあって、該期の土器研究だけでなく、縄文文化研究全般にもとっても参考になるかも。第7章では6節で14C年代測定データも整理されている模様。序文を小林達雄先生、解題を大塚達朗さんが書かれています。ご参考までに。
 
 第1章 加曽利B式土器の再検討
 第2章 石神貝塚出土の加曽利B式土器
 
3章 大宮台地における後期末から晩期初頭の土器群について
 第4章 大宮台地出土土器を中心とした安行式土器の編年
 第5章 埼葛地域の安行3c
 第6章 晩期中葉の再検討埼玉周辺の晩期中葉の様相
 第7章 晩期安行式土器

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R0012103 アトランタにGO!の続き。2009年、関空からアトランタの直行便はありませんでしたので、一度成田へ。そこからデルタ機に乗り込んでGO!フライト時間は12時間。5時間ぐらいは寝られたけど、あとは暇。絶対飽きるなーと思っていたので秘密兵器を持参。名作〈GONE WITH THE WIND〉のDVD

 〈風と共に去りぬ〉は1861年の南北戦争の頃の話で、TaraちゅうところのScarlettちゅう別嬪さんの山アリ・谷アリストーリー。

 秘密兵器として持参した理由は2つ。1つはね、まさにこれからいくジョージア周辺が物語の舞台だったから。後日お話ししますが、旅の後半は、ワン・ボックスに10人くらい乗り込んでのエクスカーション。遺跡と共にあちこちの町と名所を巡ります。行きの飛行機の中で名作見ちゃったもんだから、おかげでむちゃくちゃ感情移入しながら歩き回れました。感動もひとしお。

 もう1つはね、〈ながい〉から。本編は2部構成。要するに映画2本分合計4時間ですわ。こんなん、自宅では見切れんけど、狭い機内の娯楽としてはうってつけ。

 というわけで、あの辺行くなら、ベタでも必見・〈風と共に去りぬ〉でした。

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少し考えれば当たり前のことだけど、貝塚研の案内って毎日あるわけない。ということで、このブログも少し寄り道。ちょっと前ですが、2009年に初めてアメリカ本土を旅したので、その日記を紐解き直しますねー。

 行き先は南東部のジョージアとサウスカロライナ。第74回アメリカ考古学会(SAA)参加と周辺遺跡のエクスカーションを目的とした旅でし た。旅に出かけたのは2009年4月22日(水)~5月3日(月)。6年前のちょうどいま頃、10日間ほどの旅。アメリカの空も青く澄んでたなー。そんな感傷に浸りながら、回想にゴー!

 ◇Wednesday, April 22. 

 朝7時半。今生の別れでもないのに、旅慣れない私を心配して、今思えば少し大袈裟な家族の見送り。京都発8時台の特急「はるか」で関空へ。準備は結局、前日深夜までかかりました。

 だって、パスポートが見つからなくなっちゃったりしたんだもん。結局、スキャナーに挟んだままだったことが判明。コピーをとった時に、そのまま収納してた。スキャナーのふたを開けたときの胸の高鳴りはいまでも忘れられない。

R0013920関空では、貝塚研でもおなじみのマッキーさんと落ち合い、米国でお世話になる方への土産物の菓子を買い足したりしました。で、参考までに空港のお店の人にインタビュー。帰国するアメリカ人が買う人気のお土産について。

 答えは〈日本産の西洋菓子〉なんだって。純和風のお菓子は補足的にちょっぴり買い足すだけだそうな。そうかもなー。お土産だもんな。あんまり異質なモノ持って帰ってもビックリされるだけだもんな。

 一方で、アメリカから私が買って帰ったお土産は逆でしたねー。なるべくアメリカっぽいもの選びたがりました。そもそも〈アメリカ産の和菓子〉的なものは、ほぼほぼ見かけないし。ギャップの存在に改めて気づく旅の始まり。

 と言うことで、続きはまた明日!

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◇鹿児島の寒川朋枝さんから書籍刊行のご案内を頂いていたのでご案内!以下、寒川さんからのメッセージと私の補足です。

◇このたび、20153月に本田道輝先生が鹿児島大学を退職されましたのを記念して、献呈論文集『Archaeology from the south』Ⅲ を刊行いたしました。6月末までにお申し込み頂けますと、4500円の先行販売価格となります。また現在、『Archaeology from the south』Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ の3冊特別セット価格で10000円にて販売しております(残り30セット)。

◇購入方法等については、鹿児島大学埋蔵文化財調査センター(本田先生退職記念事業会:メールアドレス kadai.south@gmail.com 電話 099−285−7270) まで御連絡ください。

◇で、詳細は〈薩摩焼な日々〉さんのブログに掲載されてます。こちらも参照してみてください!
http://air.ap.teacup.com/satsumaware/2700.html

◇中でも特に気になるのは以下の方々のラインナップ。ご参考までに♪ ・・・ではでは!

 真邉 彩  南九州における縄文時代の木葉利用について

 松﨑大嗣  松木薗遺跡出土の土器からみた調理技術の検討

 中村直子  種子島土器圧痕調査からみた弥生・古墳時代並行期の食用植物

 寒川朋枝  住居内に持ち込まれた礫 -主に南九州古墳時代の事例について-

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◇既にご案内済みですが、5月例会(259th)を、16日(土)午後1:30~午後6:00で実施します。
場所は滋賀県埋蔵文化財センター2階研修室、特集名は〈レンズの向こうにみえるもの(Ⅰ)〉。
で、今日は発表者お二人のご紹介。

◇まずは渋谷綾子さん。いわゆる〈歴博〉にご在籍です!
 イギリスに留学して、University of Bradford Department of Archaeological Sciences MSc in Scientific Methods in Archaeologyに籍を置いた後、残存デンプン粒分析を通した旧石器・縄文時代の植物質食料利用の研究をテーマに、2010年、総合研究大学院大学で博士(文学)取得。分かり易いプレゼンにも定評あり。詳細は失念しましたが、国際的な学会でポスター賞も受賞!

 でもね、一番凄いのは、毎年必ずコツコツと例会発表を重ねてきたこと。お酒も楽しく飲まれるし。特に学生さんは、彼女にいろいろインタビューすると明日への架け橋が見えてくるかも・・・。

◇次は石田智子さん。九州大学に学び、この春から鹿児島大学の准教授に着任!
 鹿児島大といえば、何でかよくわかりませんが、はるばる貝塚研にも毎年何人も発表しに来てくれる不思議な大学(・・しつこい説明になりますけど、鹿児島から滋賀ですよ。しかもみんなニコニコしながら毎年複数人。明治維新の原動力が何だったか、少しわかる気もする・・)。きっと鹿児島大学は更におもろくなるやろなー。

 石田さんの武器は地球科学的高精度胎土分析。これで土器動態を押さえて、そこから弥生時代地域社会構造の解明へと駒を進められます。石田さんも2年ぐらい前の文化財科学会でポスター賞取ってましたねー。

 以上、期待のお二人。来ないとやっぱり損だと思うな、ほんとに。ということで、お待ちしてまーす!

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 我が家は訳あって、アイドルグループ〈嵐〉の番組をよく見ます。いつしか私も抵抗なく楽しめる体に。で、昨夜は録画しておいた〈嵐にしやがれ(日本テレビ系5/2放送分)〉を家族と鑑賞しながら夕食。

 〈嵐にしやがれ〉はこの春から体験コーナーが充実。松潤がスタント風の体験、相葉ちゃんが自動販売機がらみの挑戦コーナー、そして大野くんのコーナーへと進行。嵐の大野くんといえば、なかなかのアーチストである上に、今回は加曽利博物館の指導の下、縄文土器の製作とそれを使った調理に挑戦。案の定、なかなか素敵な土器を作り上げてくれました。・・・が!!

 できあがった土器で炊きあげたのはお米・・・。しかも試食の時に「なんか柔らかいなー」というメンバーの声に対して、「縄文時代のお米は、おかゆ状にして炊いていたので、こんな感じで柔らかい。」みたいな解説付き。

 そうか、そうなってしまうんやな・・・。面白さはとっても大事だと思うし、嵐が作ることで、縄文土器を初めて身近に感じた子供もいたと思うので、その点には感謝しつつ、大きな敗北感に包まれながら我が口中の米を噛み続けたのでした。

 
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◆引き続いて、近江貝塚研究会7月例会の「先行ご案内(速報版)」です。詳細は後日改めてご連絡。日程・内容などの概要は以下の通り。カレンダーに是非ご記入ください!

7月例会 261th  特集:縄文前半期の時代相を探る!
 7月25日(土)13:30~ 滋賀県埋文センター・2階研修室

〈報告1〉
青山 航さん |坂井市教育委員会文化課 |北陸南部の条痕紋土器の検討-羽島下層Ⅱ式直前期の検討-
 土器編年の中で編年観が定まっていない時期の一つに羽島下層Ⅱ式直前期がある。本発表では、北陸南部の事例を中心に条痕紋土器の編年について検討を加えたい。

〈報告2〉
松崎哲也さん |京都大学大学院 |縄文時代前半期の東北地方における大型魚類の捕獲と利用

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◆まいどお世話様です!今回は貝塚研6月例会の「先行ご案内(速報版)」をいたします。 
 詳細は後日改めてご連絡。日程・内容などの概要は以下の通り。カレンダーに是非ご記入ください!後で7月例会の先行ご案内も連投します。乞うご海容。

◆6月例会 260th  特集:レンズの向こうにみえるもの(Ⅱ)

 6月27日(土)13:30~ 滋賀県埋文センター・2階研修室

〈報告1〉
 河本純一さん |大阪府文化財センター |縄文時代における「交流」「地域間関係」の研究史
 
縄文時代における「交流」「地域間関係」がいかに研究されてきたのか、学史の整理をおこない、その上で、土器の文様や胎土からの分析が実際的にはどのように有効であるのか考察する。

〈報告2〉

 林 竜馬さん |滋賀県立琵琶湖博物館 |縄文時代以降の森と人の移ろい-滋賀県における遺跡の花粉分析データベースの整理から
 
滋賀県における遺跡の花粉分析データベースから見えてきた、縄文時代以降の植生の変遷についてまとめる。考古学的な視点も交えて、森と人の相互関係性の移り変わりを研究していく上での現状と課題について議論したい。

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 この連休前半、埼玉の母が飛鳥を見ておきたいと関西に参りましたので、お供してきました。

 軽い縄文バカになってしまった私、恥を忍んで告白しますと、飛鳥にはおよそ20年ぶり。見違えて増えていたのは、貸し自転車の数と〈こじゃれた〉カフェ風・創作料理風のお店。かつて学生時代に藤城くん(故人)や祐介、幸代ちゃん、陽子ちゃんといった仲良しグループで歩き回っていた頃は、キンチョールやボンカレーの古びた看板が残っていたのに大違い。随分良い感じで素朴さを残しながら垢抜けたなーと感心。

 その間、数々の大発見がありました。明日香村や奈良県、文化庁の尽力の甲斐もあって、ずいぶんと整備が進んだことを改めて学び、頭が下がりました。私同様、久しく行っていない方、ぜひまた行ってみてください。

 写真は岡寺。母がシャクナゲを見たくて参ったのですが、少し時期が遅かったかも。その代わり、見事なシャガ(アヤメ科アヤメ属の多年草)の群生を愛でることができました。

 でもね、岡寺、すごい坂を上りますから。昭和15年生まれの母は元気に登ってくれましたが、少しドキドキしました。もし行く方は少し腹をくくってくださいね。ではでは!

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早速ご案内!


日時:5月16日(土)午後1:30~午後6:00〈報告60分+質疑応答60分〉×2本

■場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室

    http://shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

■第259回例会  集:レンズの向こうにみえるもの(Ⅰ)

報告1 渋谷 綾子さん |国立歴史民俗博物館 | 
 残存デンプン粒の出自を知る―北海道とトルコの調査結果を例として

(要旨)これまで日本で実施した残存デンプン粒分析では,発掘調査の初期段階から参加する機会が限られ,所蔵資料に対する分析が中心であった。そのため,デンプン粒が当時の加工対象植物に由来するのか,コンタミネーションかをどう識別するのか問題が指摘されてきた。

2013年から参加している北海道伊達市とトルコ東部の遺跡の発掘調査では,調査の初期から分析を導入し,試料の採取方法や出土後の取り扱い時の二次汚染を防止するための対策を試行している。今回これらの調査成果を報告し,今後の調査の改善策や研究の進め方について考えたい。

報告2 石田 智子さん |鹿児島大学 | 地球科学的胎土分析による土器研究の新展開

(要旨)1970年代前後に考古学と自然科学の融合研究が活発化して以降、現在までに約50年が経過し、多くの方法や成果が提示されてきた。それらは、考古学的諸現象の解析にどのように寄与してきただろうか。

 発表者は、土器を構成する複数属性の一つとして土器胎土属性を評価し、胎土分析を実践してきた。本発表では、主に北部九州地域の弥生土器を対象とする考古学と地球科学の融合研究の具体例を示す。特徴に乏しい「普通」の土器であっても、考古学的研究成果に加えて、微量元素・希土類元素に着目した高精度元素分析を実施することで、物的特性の把握に留まらず、土器の生産・移動現象に関連する社会的側面や集団関係を検討できる素材となる可能性を提起したい。
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・懇親会(会費3000円前後)もあります(JR大津駅前「養老の滝」)。

・災害やインフルエンザ等の流行などに伴い、急遽中止になることもあります。

 怪しいときはお手数ですが、必ず 本ブログなどでご確認下さい。

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