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近江貝塚研究会の4月例会(4/29)は、メソアメリカ考古学を専攻する新進気鋭の研究者をお招きしますよ。その観点・方法・資料操作をともにガンガン学びます!・・おもろいで。皆さんの〈芸の幅〉を広げること、請け合います。是非とものお越し、お待ちしています!

 

◆第271回例会  
特集:メソアメリカ考古学ともに学ぶ/モノ-社会論への視点

日時:4月29日(金・祝)午後1:30~午後6:00  

〈研究報告60分+質疑応答60分〉×2本

場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室

    http://shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

報告:

1 八木宏明さん | 愛媛大学大学院修士課程 | 

マヤ地域の周縁における火山噴火の影響

(要旨)本発表では、マヤ地域の周縁に位置するエルサルバドル共和国のサポティタン盆地を対象地域とし、紀元後6世紀頃に起きたと考えられているイロパンゴ火山噴火の前後における黒曜石製石器を検討し、火山噴火の影響について考える。エルサルバドル共和国に位置するイロパンゴ火山の噴火は、「AD536イベント」を引き起こした一つの要因と考えられているが、この火山噴火の影響については「壊滅説」や「一時避難説」といった単純な評価しかないのが現状である。火山噴火の影響を評価するには、噴火によって人々の生活がどのように変化したのか、また変化しなかったのかを明らかにする必要がある。そこで本研究ではマヤ文明の主要利器である石器に注目し、蛍光X線分析と肉眼分析を組み合わせた石材の産地同定や、石器の組成、製作技法などを検討し、火山噴火前後で石器の生産、流通、消費がどのように変化するのかを明らかにする。

 

2 福原弘識さん | 埼玉大学ほか | 

周縁から国家像を描く:一般住居址の空間利用からの考察

(要旨)テオティワカン国家の首都は計画都市であり、建造には多大な労働力を差配する支配者層の存在が想定されている。しかし、支配者層の活動域である都市中心部の考古学資料から、国家体制へアプローチすることには限界が見え始めている。

 本発表は、一般住居址における空間利用を通して、社会ネットワークの形成とその変遷を分析し、被支配者層である都市住人が国家という枠組みの中で、どのように権力と交渉してきたのかを考察する。その上で周縁部資料からこそ見える国家像を描いてみたい。

 

◆その他事項

・懇親会(会費3000円前後)もあります。親交拡大にご活用下さい(JR大津駅前「養老の滝」の予定)。

・災害やインフルエンザ等の流行などに伴い、急遽中止になることもあります。

 怪しいときはお手数ですが、必ず 瀬口携帯 090-1441-5104(それからブログ!)などでご確認下さい。


※5月以降の予定(敬称略)

272th 5月例会:5月14日(土)【土器から何をどう読むか!】

奥村香子(敦賀市)・田畑春菜(鹿児島大学)

273th 6月例会:625日(土)【植生史・胎土分析】

林竜馬(琵琶湖博物館)・河本純一(大阪府文化財センター)