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◆第273回例会 
 特集:資料の総合的分析から我々は何を見出せるのか?

日時:730日(土)

午後1:30~午後6:00  

〈研究報告60分+質疑応答60分〉×2本

場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室

    http://shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

報告1:柳原麻子さん | 大津市教育委員会 | 

縄文時代中期から晩期の中部地方における植物利用の変化

(要旨)中部高地では「縄文農耕」として知られるように、縄文時代中期に大規模な遺跡数が増加し、同時にこれらの遺跡から高い比率で打製石斧が出土する現象が認められている。しかし後期以降には遺跡数が減少し、同時に遺跡立地や石器組成の変化もみとめられることから、中部高地や周辺地域では縄文時代中期以降に生業に大きな変化があったことが想定されている。しかし、従来の石器組成研究では営まれていた生業の実態や、変化の背景を理解するには限界がある。本発表では、中部地方の縄文時代中期から晩期を対象に、石器組成・出土植物遺体・種子圧痕による学際的な分析から縄文時代中期から晩期の植物利用の変化を明らかにする。

 

報告2:渋谷綾子さん | 国立歴史民俗博物館 | 

残存デンプン粒分析から総合資料学へ

(要旨)歴博では現在,「総合資料学」の研究プロジェクトを進めている。総合資料学とは,既存の学問の枠組みを超えたところに生まれる新たな資料学である。プロジェクトは,多様な「モノ」資料を時代・地域・分野等によって分類し,分野を超えた視点から統合的に分析することで,高度な共同利用・共同研究へと結びつけるものである。あわせて,大学など研究機関において日本歴史文化に関する研究資源を活用できる基盤の構築を目指している。プロジェクトの実務者の1人として,これまでの研究成果をふまえつつ,(1)残存デンプン粒分析のような自然科学の研究成果を総合資料学へどのように取り込んでいくのか,(2)データ生成から解釈,この過程の中で生まれる誤解や認識はどのようなものか,(3)これらをどのように「エビデンス(証拠)」として研究データベースとして取り込むのか,今後の研究展開を見すえて考えたい。

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・懇親会(会費3000円前後)もあります。親交拡大にご活用下さい(JR大津駅前「養老の滝」の予定)。

・災害やインフルエンザ等の流行などに伴い、急遽中止になることもあります。怪しいときはお手数ですが、必ず 瀬口携帯 090-1441-5104(それからブログ!)などでご確認下さい。