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お世話様です!近江貝塚研7月例会では、縄文植物利用・残存デンプン粒分析の立場から〈視点の広角化〉を進めたご検討をいただきます。引き出しを増やしたい方、視野を広げたい方、ヒントを見つけに是非お運びください!(瀬口眞司)


近江江貝塚研
究会 7月例会(第285回)  

特集:〈過去を見直すための視点の広角化〉

 

●日時:2017年7月29日(土)午後1:30~午後6:00  

〈研究報告60分+質疑応答60分〉×2本

●場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室

   http://shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

   JR瀬田駅発 滋賀医大(大学病院)行きバス 「文化ゾーン前」下車徒歩5分 

(帝産バス12:45発 もしくは 近江バス1305発の乗車がおススメです。)

 

●報告1:

柳原 麻子さん| 大津市教育委員会 |

縄文時代中期から晩期の中部地方における植物利用(2)

(要旨)縄文時代中期から晩期の中部地方における植物利用の変化を石器組成研究、植物遺体、種子レプリカ法の3つの視点から分析する。前回は縄文時代中期後半の長野県や、縄文時代中期から晩期前半の岐阜県の、台地や河岸段丘に立地する遺跡において、打製石斧が主体的に出土する傾向にあることから、それぞれが雑穀を利用していた可能性を指摘した。今回はさらに実際に遺跡から出土した植物遺体や、岐阜県で実施したレプリカ調査の成果を基に、実際にどのような植物が利用されていたのかを検討する。

 

●報告2:

渋谷 綾子さん | 国立歴史民俗博物館 | 

混雑物分析を用いた文書料紙の調査研究:形態的史料情報の共有化への試み

(要旨)報告者は現在,国立歴史民俗博物館の「総合資料学の創成」事業において文書の紙質調査に取り組んでいる。文書料紙の調査研究はこれまで歴史学や関連諸分野が蓄積してきており,また史料をモノとして研究する形態的史料研究では,厚み,重さ,賽の目など料紙に関するデータと,光学顕微鏡などを用いた紙の繊維の特定や状態の把握が主に進められてきた。一方,製紙工程で填料(添加物)として用いられる米粉に含まれるデンプン粒のように,料紙の混雑物に焦点を当てた研究はほとんど進展していない。これまで報告者が進めてきた残存デンプン粒分析の手法が,文書の紙の研究に対して,どのような視点を与え,どのような新しい成果を生み出すことができるのか。本研究は端緒についたところだが,今回の発表では,文書料紙の調査研究の方法と現在までの成果,今後の方向性などについて検討を行う。