国際学術講演会 のご案内
『土製建築をいかに保存し、活用するかー中米・アフリカの事例からー』
【開催目的・趣旨】
「土」は人類の生活や文化を語るうえで重要な資源です。農耕などの生業、そして土器や土偶の例を挙げれば、その重要性は容易に想像できるのではないでしょうか。しかし、建築となると土の脆弱なイメージが先行し、重要性が理解されにくいところがあります。事実、世界中には歴史的文化的に重要な土製建築が存在するものの、破壊や浸食によってこの世からすこしずつ失われようとしています。自然環境の問題、技術的制約、文化遺産保護の倫理・理念の問題など克服すべき課題は少なくありません。では、土製建築遺産をいかに研究し、いかに保存すればよいのでしょうか。また土製建築遺産や現代に残る土の技術を継承していくことにはどのような意義があるのでしょうか。本学術講演会では、新大陸を代表するメソアメリカ文明を事例として、先スペイン期の土製建築遺産の調査と修復保存に詳しい2名の研究者を招き、土製建築遺産研究の現状と課題について報告いただきます。さらに世界の土製建築研究を牽引するフランス・グルノーブル国立建築大学内にある「CRAterre(クラテル)」を修了された建築家を招き、土製建築研究の最先端の現場とアフリカにおける伝統的な土製建築技術の現代的活用について報告いただきます。奮ってご参加ください。
【主催・後援・協力・助成】
主催:名古屋大学大学院人文学研究科附属文化遺産テクスト学研究センター
共催:名古屋大学高等研究院
協力:古代アメリカ学会
助成:平和中島財団
【内容の詳細】
日時・場所
開催日時:11月9日(金)13:00-16:30
場所:名古屋大学文系総合館7階カンファレンス・ホール
(2)プログラム
13:00-13:10
趣旨説明・講師紹介
市川 彰(名古屋大学大学院人文学研究科・高等研究院)
13:10-14:20 発表①(発表1時間、質疑応答10分)
「メキシコにおける土製建築遺産の保存問題:戦略と政治性」
アニック・ダニールズ(メキシコ国立自治大学人類学研究所)
14:20-15:30 発表②(発表1時間、質疑応答10分)
「エルサルバドルにおける土製建築遺産保存の挑戦:政府機関からみた展望」
オスカル・カマチョ(エルサルバドル文化省文化遺産局考古課)
15:30-15:40
休憩
15:40-16:20 発表③(発表30分、質疑応答10分)
「持続可能な住環境構築へ:土製建築の未来」
安田治文(人間居住機構一級建築士事務所代表/JICA嘱託専門家)
参加人数及び募集方法:定員70名(先着順)、申し込み不要
参加者負担金など:無料
使用言語:日本語・スペイン語発表(通訳あり)。
問合せ:市川 彰(名古屋大学大学院人文学研究科・高等研究院)
ichiaki5●lit.nagoya-u.ac.jp ●を@に変換してください。