考古学ブログ: Ours! 近江貝塚研究会

その事務局員が成長を目指して綴るバラエティー

カテゴリ:◆ゆるゆるの 癒し系コンテンツ > 01 これって、どうよ?

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前回は、〈酒井龍一さんは昔から短い文章を推奨されていて、終いには川柳へ行き着いたんと違うか?〉、という推理で終わりました。今回も〈文章を書く〉ことについて、徒然なるままに。

 恩師の水野正好先生がね、何度も繰り返し教えてくれていたことが幾つかある。その1つは〈忙しくても、毎日書き続けるんやで〉ということ。コツコツ1ページ、しんどくてムリなら2行。どんなことがあっても、日々書き続けるんやでー、とよく言って下さいました。

 そのココロは、・・・執筆における〈慣性の法則〉ではないかと思う。たぶん。

 正解は聞いてないから不確かですけど(だいたい先生、いつも禅問答みたいなことしか言ってくれなかったと私は思っている)。就職してからの実感として、朝とか夜に毎日書き続けていると、いうほど苦もなく(楽ではないけれど)筆が進んでくれる。一方で、忙しかったりして、さぼり癖が着いてしまったりすると大変!改めて筆を取り始めるのが、とってもシンドイし、書き始めても本当に進まない。

 物理の時間に習いましたねー。重い鉄の球を動かすとき、一番力を要するのは、動かし始め。運動エネルギーがとっても必要になる。でも、動かし始めちゃえば、最初のような大きいエネルギーは不要(道のりが滑らかならばですけど)。そういうことを、水野先生は仰っていたんではないだろうかと思う。

 と言うことで、今日もチョビっと頑張ろう。

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〈流れを自分でコントロールできるような慣れきった仕事へ簡単に取り組んだとき、その結果が小賢しいものになるのは目に見えている。そんなことはしたくないから、敢えて手に負えないことをやる。〉

 ・・これね、自分で思いついたんと違いますよ。引用です。誰の発言かというと、漫画家の井上雄彦さん。〈スラムダンク〉や〈バガボンド〉で有名ですよね。NHKの人気番組〈プロフェッショナル仕事の流儀〉で仰ってました。

 この番組は、各分野の第一線で活躍中の一流のプロの「仕事」を徹底的に掘り下げるドキュメンタリー。毎週月曜夜の10時から1時間ほど放映している。良い番組なんだけど、この時間、風呂に入ったり、一日の最後の追い込みをしてたりして、ゆっくり視聴出来ない。でもね、いまはとっても便利。NHKの〈オンデマンド〉で月々1000円弱を払うと、結構いろいろ遡って視聴できるから(上記の井上さんのやつも2009年放送分)。

 このオンデマンドねー、ボク好きやわ。週末の夕方なんかに、これでドラマやドキュメンタリー見ながら酒飲むのが大好き。部屋を真っ暗にしてね、没頭できる環境を作って、司馬遼太郎さんの〈坂の上の雲〉や、朝の連ドラ〈ごちそうさん〉なんかオイオイ泣きながら見てたな。あと〈世界ふれあい街歩き〉なんか、ホントに旅してる気にさせてもらえる。

 えーと、また話がズレまくりましたね。井上雄彦さんの〈プロフェッショナル〉の話でした。これは要するに「仕事」ぶりの番組なのでね、井上さんや漫画家さんの苦労や工夫ぶりが窺えるんです。で、マンガってどーやって作っていくかというと、①ネームづくり→②下書き→③筆入れ(清書)の3ステップであるらしい。

 このうち①のネームは、展開・フレーズを考えていく作業。我々が論文を書くときのプロットの作業に似てるかも。で、井上さんが言うには、3ステップの中でやっぱりこの①が一番肝心らしい。作品の出来はここで決まるとな。②や③で挽回できることはまずない。この辺りも似ているかもな。研究史に残るようなガツンとくる論文は、まず着想の段階で群を抜いているモンな。②や③で何とかしてるモンは、所詮誰かのコピーでしかないのかも。反省、反省。

 で、井上さんも①のネーム作りは〈喫茶店〉にこもって進めるんやて。仕事場や自宅では、自分が弱いから、いろいろ逃げちゃう。だから、他に何も出来ない〈サテン〉に身を置いて、自分を追い込むそうな。〈やっぱりそうなんや〉と共感・・。念のため書いておきますけれど、井上さんも満員の〈サテン〉ではやってませんでしたよ。ちゃんと空いてるお店でやってました。お店の迷惑にならないよう工夫していることもおっしゃてましたね。消しゴムなんかも、カスがでるので使わないそうな。エライ! 
 論文どこで書く?⇒ 
http://koukogaku.blog.jp/archives/1032433529.html

 続けます。井上さんの幼少時に、ご両親が離婚されてます。で、鹿児島にある母方の祖父に育てられたとのこと。雄彦少年が描いた絵をみたおじいさんが、〈髪の毛が生きているようだ〉と褒めてくれた。これがきっかけとなり、その後の心の〈電池〉――すなわちエネルギーの元になって、突き進んでいったそうな。やっぱりね、〈おまえ、凄いな〉って一言が、宝物になることもあるんだよね。辛いことを乗り越えるための〈支え〉になることがある。どうせ年食うんだったら、そんなことが言えるじいさんになりたいよな。

 でもって、番組のラスト。毎回〈プロフェッショナルとは〉と言う問いかけに答えていくんだけど、井上さんは一言、〈向上し続ける人〉。・・はー、そうでしたね。最近怠けてましたわ、わたし。〈自分がコントロールできるモノを扱ったとき、小賢しいものになるのは目に見えている。だから、手に負えないことをやる。〉今日は、とっても耳が痛いな(笑)。ちょっと顔洗って出直しするぞっと。

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大関ヶ原展にかこつけて、〈愛される博物館ってどうするよ〉シリーズを進めてきましたが、ここで難儀なビッグニュース。アメリカ発です。急ぎ掲載した方がよさそうなので、本日挿入。〈イリノイ州立博物館の閉鎖危機:可能ならパブリックコメントにご協力ください!〉という記事となります。死活問題だからね、今日は文章、少し長いよ。ごめんなさい。

 情報を寄せてくださったのは、貝塚研でも元気に発表+質問をしてくれている佐々木尚子さん。植生史がご専門で、今年9月の例会でもご発表の予定です。で、この佐々木さんからのメールを元に、皆さんへ事情説明とお願いをしてみましょう。

 まず、ここからだな。イリノイってどこよ?・・今日もウィキペディア先生に聞いてみましょう。要約するとアメリカ中西部。人口ではUSA5番目、中西部では最大。なおかつ民族構成は最も多様化した州だそうな。州都はスプリングフィールド市で、最大都市は北東部にあるシカゴ市。有名ですよね。歴史的には、紀元8001500年、例のミシシッピ文化圏に属します。でミシシッピ川沿岸部では、ピラミッド形の巨大なマウンド都市が築かれたと・・。

※ミシシッピ文化のピラミッドネタはコチラ→

http://koukogaku.blog.jp/archives/1027778004.html

http://koukogaku.blog.jp/archives/1029186900.html

 で、イリノイ州立博物館ですけど、有名なのは、考古学や民族学分野の充実したコレクションらしい。動物考古学の分野で活躍してこられた Bonnie Styles博士や、北米花粉データベースを牽引してきたEric Grimm博士を擁する研究機関です。とっても凄くて実績のあるところなのに、州政府のコスト削減のために、閉鎖されそうだとのこと(下記HPより)。イリノイ州立博物館の閉鎖危機の原因は〈州政府のコスト削減〉。州の財政赤字を整理するために犠牲を強いられるらしい。佐々木さん曰く、〈大きくて、歴史があって、素晴らしいコレクションを持っている博物館でも、あっさり閉鎖危機に陥るんだとショック〉・・・たしかに。http://t.congressweb.com/w/?GILOPWGAPZ


 うーん、アメリカの博物館事情を勉強せんことには、語りにくいけど、とりあえず〈安易に閉鎖してしまう方向〉にストップかけてもらうのが先決だな。ということで、以下、佐々木尚子さんからのご依頼メールの内容です。一部、ご本人にお話の上、本ブログ用に加筆等しました。対岸の火事も、延焼したら焼け野原。ということで、もしよろしかったら、GO!

★★ イリノイ州立博物館の閉鎖危機:パブリックコメントにご協力ください ★★

 アメリカ第四紀学会(American Quaternary Association)から、イリノイ州立博物館機構が、州政府のコスト削減のため閉鎖されそうだとの情報が入りました。(中略)。713日に閉鎖方針に関する公聴会が実施される予定で、721日までパブリック コメントが受け付けられているそうです。アメリカ国外からの意見表明も有効とのことですので、イリノイ州立博物館閉鎖への反対意見を、イリノイ州政府宛にぜひお送りいただきたく、お願い申し上げます。時期が迫っている中でのお願いで大変恐縮ですが、ご協力いただければ幸いです。詳細については、下記をご覧ください。

(1) 
意見表明の締切

パブリックコメント自体は721日(火)が締め切り。ただし、713日(月)の公聴会開催日までにご意見をお送りいただけると、公聴会で、閉鎖反対をより強く後押しできます。

(2)意見の送付方法:

パプリックコメント受付アドレス facilityclosure@ilga.gov 

ここ宛に、電子メールにて送付してください。意見の送付方法について、詳細は、下記ウェブサイトをご参照ください。
 Public Comments to the Commission on Government Forecasting and Accountability:
 
http://cgfa.ilga.gov/Resource.aspx?id=1357


補足事項
【A】意見の提出方法

  pdfファイルの添付、②Wordファイルの添付、③メール本文へ記入、のどれかでOK。


補足事項【B】メールへの記入必須事項  例 

1Name:            Shinji Seguchi 

2) Facility Being Closed:  The Illinois State Museum

3) Your Position:       Opponent

4) The type of Testimony you would like to give:  Written Statement Filed


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 心揺さぶる原稿、書いてはりますか。ドラッカー師匠が言うには、〈人を動かし、人を変えて、初めて存在意義が生まれたことになる〉。・・・うーん、これ相当あついな。今日は、そんなことと関わるテレビ番組を見たので、それで小話。

 滋賀県立安土博の一角にある部署に異動して3ヶ月。博物館の開館日と併せて勤務しているんで、毎週土曜日も元気に出勤。で、5:30から朝ご飯を食べる。ここ数年、朝のお茶の間のTVはNHK。月~金はとっくにニュースが始まってるんだけど、土曜は別枠。「あの人に会いたい」っていう番組やってます。

 これね、もう亡くなっちゃった〈プロフェッショナル〉たちのインタビューをまとめた番組。早朝にはちょっと勿体ないぐらい、なかなかいいプログラム。で、本日7/4は作詞家の吉岡治さん。2010年に亡くなられました。

 吉岡さんて誰だか知ってる?このブログを読んでいる人で、すぐ分かる人は稀かも知れんけど、その作品はみんな絶対知ってると思う!たとえばね、代表作は以下の通り。

真っ赤な太陽(美空ひばり1967)  大阪しぐれ (都はるみ1980

命くれない (瀬川瑛子1986)   天城越え(石川さゆり) ・・・その他多数。 

 ね。まさに昭和歌謡界のレジェンドですわ。で、今朝は生前のインタビューがたくさん流れてたんだけど、特に強く我が耳をヒットしたの次の2点。1つめはね、作詞作業の山場を聞かれたくだり。どの部分が大事ですか、ちゅう問いに対して吉岡さんは、〈初めの2行が一番大事。ここで思いを込められたらそれでいい。後はオマケみたいなもの〉とな。

 なるほどな。2行で心揺さぶらな、アカンのですね・・・。そうかも。チラシでもパンフでも、ブログでもなんでも、最初で揺さぶらなかったら読んで貰えないかも。いくら中身が良くても、世の中にはたくさん類品があるもんな。ここ数ヶ月、夏の文化財普及活動チラシやパンフの原稿、あるいは一般向け書籍の原稿を書いたり、ブログやFacebookでド真剣に向き合ってるんだけど、やっぱり最初がしっくりいかんやつは、最後までダメだもんな。

 昔、読んだ本にもありました。あと30秒で命が尽きるつもりで報告しなさい。絶対言わないと死にきれないことから口にするべし・・・みたいなことが書いてありましたが、通じるモンがあるな。受け入れて貰うためには、〈どうでもいい〉ことから書いたらアカンのですね。深く反省。

 もう一つは〈隙間だらけでいい〉そうな。大阪しぐれで再びヒットするまで、吉岡さんってびっしり情感を詩に詰め込むタイプだったらしい。で、1980年に〈大阪しぐれ〉をはるみさんに提供すんだけど、これ、必ずしも納得いく作品じゃなかったらしい。スカスカの隙間だらけだったから。

 でもね、予想外にも大ヒット。そのとき、ハッと気づいたそうな。隙間があるから、聞き手が
好きに思いを込められる。参加型の作品になったからヒットしたんだと。

 はー、なるほどなー。これもそうかもなー。ガチガチはやっぱり独り相撲になるんだよな。前の前の理事長に7年ほど前、〈おまえは全部しゃべりたがりすぎる。はてなマークが相手に残るぐらいにスカスカにしゃべったほうがええ。〉と言われたのを思い出しました。そういう意味か。7年経ってやっと分かったぞ。これも改めて反省。

 ということで、朝から2つも大反省。まさに〈早起きは三文の得〉の朝でした。なんちって。

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さてさて、論文執筆の悩みを考えるシリーズの後編です。前編は〈いつ書くの?問題〉でしたが、今回は〈どこで書くの?問題〉。皆さんは、どこで書いてますか?私は〈遊動型〉。基本は朝に書く。で、必要に応じて、転々と移動しながら書き続けます。

 ちなみに、私の研究テーマの一つは〈定住論〉。遊動生活から定住生活への移行過程を資料から読み解こうとしてきました。人間ね、本格的に定住し始めたのは、たかだか1万年前ですから。それより前はずーっと移動生活。・・だからというわけではないけれど、公務でもない限り、私はあちこち移動しながら書き継いでいきます。だって、飽きちゃうんだもん。

 たとえば極端なケースでは、早起きして自宅で書いて、通勤電車の中で書いて、現場に行って作業員さんたちが来るまで書く。仕事が終わったら、今度はデパートやショッピングモールに行って書く。そんで帰宅してからまた書く、みたいな。1個所あたりの執筆時間は1時間程度だけど、足すと結構な時間になりますよね。飽きっぽいから、同じところで5時間書き続けるのは至難の業。相当追い込まれていないと出来ません。でも、あちこち場所を変えながらだと気が楽になる。

 私のおススメはデパート。よく奥の方とかにベンチがあるでしょ。誰も寄りつかないような。ああいうところ、とってもいい。2階が飽きたら、3階に行って、限界が来たら4階へ、みたいな。それから平日のショッピングモールのフードコート。某県某市の●●●モールは最高!窓からは、琵琶湖と比叡山に夕陽がセットになんかなっちゃったりして、とっても癒される。マクドとミスドがあるから、コーヒーとドーナツやらを買ってきて、もぐもぐしながら書き始めます。

 だから、必需品はちっこいパソコンとipod。特にipodは自分の世界に入り込んでいくのにとっても便利(スマホでもいいんでしょうけど、まだ持ってないからね)。いつも決まったアルバムを聴きながら、自ら引きずり込もうとすることが多いかも。ちびっ子が隣で少々だだをこねてても、これならセーフ。

 でもね、デパートやショッピングモールでは、十分すいているときだけお邪魔してます。混雑しかけたら、すぐ退散。お店とか他のお客さんに迷惑かけたら、〈店内ではパソコンご遠慮下さい〉みたいな話にすぐなる。結局、自分たちが利用しにくくなるだけ。環境をなるべく荒らさないのが正しい〈ノマディック〉。なんちって。

 ところで、このブログによくコメントしてくれるTomoさんは、移動時間が〈カキどころ〉だそうです。――“私は新幹線とか飛行機の待ち時間とか移動中に書くことが多いです。意外と手元に資料がない状況のほうが筆が進みます。あとで資料を確認するようにすれば効率的だと思います。”(20150626日コメント)

 ・・同感です。あれこれ浮気せずに、ダーッと書けていくのが、移動中の執筆のメリットの1つかもねー。皆さんもいろんな秘策や工夫がおありでしょう。もし、よろしかったらコメントなんかでお教え下さいね。参考にさせてください!ではではー。

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みなさんは、いつも、いつ論文を書いてますか?先日、職場の若い後輩が、この質問を私にしてくれました。これって、実は近江貝塚研究会の懇親会で3ヶ月に1回は出てくる頻出話題。それだけ、みんな苦労して悩んでいるテーマなんですよね。今回は、この話をちょびっとしてみます。

 人それぞれですし、残業の多い勤務だったときはムリでしたが、わたしの場合は〈朝〉がゴールデンタイム。1時間くらい使っています。夕方も多いのですけど、これは2番手。一番多いのはやっぱり朝。子供が小さいときは、夜10時に一緒に布団に入り、朝4時に起き出してました。

 これが良いのは、〈新鮮な頭で書き物が出来る〉こと。同じ1時間でも密度が断然違う気がする。

 毎日、現場をしたり、いろいろ仕事をして帰ると、もうヘトヘトですよね。冒頭に挙げた若い後輩もそうらしい。晩飯喰ったら、もう何もする気になれない。私も実はそのタイプ。1日全力で頑張ったら、もうクタクタだよ夜は。もう疲れを取ることしか出来ません。

 なら、早く寝てしまったほうがよいのでは・・というのが朝型人間の発想。ご飯を食べてから2時間は横にならない方が胃腸には良いらしい。なので、今は9時には食べ終わり、1112時には寝てしまいます。風呂に入ったり、メールの返信なんかしてたらちょうど良い感じこの時間に。で、5時半に起き出して、1時間ほど書き物をする。足りない分は夕方に1時間ほど補足する。

 子供さんが小さいなら、尚更かも。お仕事の都合にもよりますが、一緒に風呂に入って寝てしまう。奥さんにも喜ばれるかも。子供もいつまでも一緒に入ってくれない。今のうちですよー。

 問題は眠気覚ましですよね。折角、早起きしても、眠いと進まないもんね。元から朝に強いタイプだったわけではないので、私も最初は苦労しました。4時に起きていたころは、あっついコーヒーと、アーモンド入りのチョコレートを口にしてから始めてた。カフェインと糖分がポイントですよね。強制的に目を開けさせます。で、もう一つのポイントは、毎日同じ時間に起きることかも。体が慣れていってくれる気がします。

 合う・合わないがあるので、あくまで瀬口例ですが、もし興味があって可能な仕事のパターンなら1度試してみてください。貝塚研のいろんな学生さんで効果は実証済み。ということで、今回はこれでおしまい。次回は、ほなどこで書くんよ?と言う話の予定。ではではまたー!

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 2015年6月9日、松井章さん(元奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長)が肝臓がんで亡くなりました。先生と近江貝塚研との関係を振り返りながら、先生のご冥福を祈りたいと思います。

 新聞等によりますと、先生の業績の1つに〈粟津湖底遺跡の調査、食生活とその季節性の復元等〉が上げられています。2万箱に及ぶ膨大な資料を相手に作業し、実際にデータを蓄積・解釈したのは、調査機関である財団法人滋賀県文化財保護協会(以下協会)ですけど、しかし、協会だけで出来る作業では絶対ありませんでした。〈豪腕・松井〉先生の学識・政治力、そして指導力がなければ、完遂できたかは微妙、或いはあそこまで調査できたかも微妙だったかも知れません。

 粟津湖底遺跡は全国的に見ても稀な〈低湿地貝塚〉。普通の遺跡では有機質の資料は腐朽してしまうのですが、貝塚であるが故に、貝や骨などの〈動物質〉の資料が良好な状態で残っていました。加えて、低湿地であるが故に〈植物質〉の遺物や食料残滓も素晴らしい状態で残っていました。〈動物質〉と〈植物質〉の両方が良い状態で残る遺跡なんて極めて本当に稀。縄文時代の食生活を復元する上でこれ以上ない一級品の遺跡でした。

 加えて、貝層と木の実の層が混じらずに、交互に堆積している部分も確認。つまり、貝を捨てていた季節の層→木の実の層を捨てていた季節の層→貝を捨てていた季節の層・・というように、縄文人の季節的な生活サイクルも復元可能。こうなると世界クラスで稀すぎる遺跡となります。

 先生はその慧眼を持って、この粟津湖底遺跡の重要性をきっちり整理し、最も適切な調査への道筋をつけて下さりました。また、強力な政治力をもって、全国で活躍されるトップクラスの先生方に声を掛けて下さり、調査指導委員会を立ち上げる基盤を構築して下さりました。

 以上は、私が就職する一年前の出来事なので人づてでしか聞いていない話ですが、粟津湖底遺跡の調査成果のレベルを高めて下さったという意味で、滋賀県や協会にとっては〈恩人〉だと私は思います。

 一方で、決して穏やかな〈聖人君子〉タイプの先生ではなかったようにも思います。私が直接指導をいただいたのは、粟津湖底遺跡の調査の2年目にあたる1991年~1996年。就職間もない私は、生意気なくせに経験値が全くないので、委員会の度に、本当に湯気が出るくらい叱られました。怒りを買いすぎて、調査担当からはずされそうになったことも。

 当時は本当にお顔を見るのも辛く、先生のおられないところで何度も愚痴を言ったりしましたが、そんな私でも飲みに連れて行ってくれたり、ご存命だった佐原真さんやいろんな方を紹介して下さったり、相当面倒見が良い方でもありました。そもそも、よその組織の若手を湯気が出るほど叱りとばす人、あまりいませんよね。・・そんな面倒くさいこと、普通はしない。オッサンになってからやっと気づきました。

 それに叱られすぎて、自信を失って、その自信を何とか取り戻すために這々の体で始めたのが、この〈近江貝塚研究会〉。始めたきっかけは他にもありますが、何とか這い上がりたかったというのは極めて大きな動機でした。貝塚研を始めていなかったら、今の私は絶対あり得ません。そういった意味でも先生は〈恩人〉でした。

 水曜日の晩、お通夜に参列し、ご焼香を手向けながら、以上のことを思い返し、お詫びと御礼を申し上げました。先生、何度も愚痴を言って申し訳ありませんでした。何度も湯気出しながら叱って下さって本当にありがとうございました。教えていただいたことを大事にして、また頑張っていきたいと思います。ご冥福を祈りつつ、合掌。  (瀬口眞司)

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 今日は母校の奈良大学に顔を出してきました。2回生を中心とする学生さんとお話しを。あー、こんな時もあったよねー。ということで、今回は考古学を始めたきっかけを思い出してみます。

 小学校から中学校時代の将来の夢は教員でした。修学旅行とか運動会がやたら楽しくて、毎年ずーっとそういうことをしていたかったから。つくづく舐めた希望理由だと自分でも思いますが、改めて考えてみると、発掘調査や普及活動も似たようなもんかも。発見と刺激の日々だもんなー。方向性は同じかも。

 教科の勉強は嫌いだけど、修学旅行とか運動会、文化祭と言ったイベント系がやたら好きな〈そこのキミ〉、調査員向いてるかもよー。毎日がジェットコースターみたいだよ。楽しいよー。こわいけど。

 ちなみに私が生まれ育った街は、とある大河川の氾濫原。小学生が自転車で走り回れる範囲に遺跡など、ちっともありません。ですから、いわゆる“考古ボーイ”的要素はまったくありませんでした。ただ、あれが好きだったな。学研さんの“学習”という雑誌。とくに付録で付いてくる歴史漫画。小遣いをあまり貰わなかった瀬口少年にとって、数少ない娯楽。あの付録が私を歴史好きにしてくれたと思う。凄いぞ、学研さん。
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 さて、教員志望は高校時代まで続きますが、ある日、母に全否定を喰らいます。おまえみたいな性格の男に、他人の人生の大事な部分を預けることは出来ない。世の中のために教員だけは目指してくれるなと。どうして、このような否定のされ方をしたのか、ちっとも覚えていませんが、どういう訳か素直にいうことを聞いて宗旨替え。自分でも向き不向きが分かりかけてたのかも。

 次に目指したのは新聞記者さん。いま本棚をゴソゴソしてたら出てきました。当時使っていたスクラップ帳。なかには読売新聞の切り抜きの束。お表紙には〈1985年4月1日~〉とあるから、高校2年生でぼろげながら憧れ始めてたんですねー。平素、いろんな収集癖をもつお友達を変態扱いにして「僕はモノを集めるなんて興味ない。一度も収集したり、スクラップしたことなんかないしなー」などと言ってきましたが、嘘でした。え
え加減な話ですが、いま改めて気づきました。えーと、T川さん、いままで変態扱いしてきてごめんなさい。〈つづく〉


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R0011954a仕事帰りにパチリ。昨夕、18:30頃の安土城考古博物館のすぐ南から。
左手の山が城のある安土山。
その向こうには琵琶湖が広がります。

城の周りはどこも田植えが終わり、朝日に煌めき、夕陽を映します。

撮影に夢中で、電車に乗り損ねるところでした。

安土博の〈合戦展〉、今月末まで。
お時間ありましたら、ぜひ!
http://azuchi-museum.or.jp/special-kikaku/2561.html

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 我が家は訳あって、アイドルグループ〈嵐〉の番組をよく見ます。いつしか私も抵抗なく楽しめる体に。で、昨夜は録画しておいた〈嵐にしやがれ(日本テレビ系5/2放送分)〉を家族と鑑賞しながら夕食。

 〈嵐にしやがれ〉はこの春から体験コーナーが充実。松潤がスタント風の体験、相葉ちゃんが自動販売機がらみの挑戦コーナー、そして大野くんのコーナーへと進行。嵐の大野くんといえば、なかなかのアーチストである上に、今回は加曽利博物館の指導の下、縄文土器の製作とそれを使った調理に挑戦。案の定、なかなか素敵な土器を作り上げてくれました。・・・が!!

 できあがった土器で炊きあげたのはお米・・・。しかも試食の時に「なんか柔らかいなー」というメンバーの声に対して、「縄文時代のお米は、おかゆ状にして炊いていたので、こんな感じで柔らかい。」みたいな解説付き。

 そうか、そうなってしまうんやな・・・。面白さはとっても大事だと思うし、嵐が作ることで、縄文土器を初めて身近に感じた子供もいたと思うので、その点には感謝しつつ、大きな敗北感に包まれながら我が口中の米を噛み続けたのでした。

 
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