考古学ブログ: Ours! 近江貝塚研究会

その事務局員が成長を目指して綴るバラエティー

タグ:土器胎土


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近江貝塚研の2019月例会(6/29)の先行案内速報版です。

特集名は【型式の正体Ⅱ】。島々の中で取捨選択されつつ形成されていた南の弥生系土器、土器を形作るベースでもある胎土に焦点を当てて型式の正体について考え、学びます。

みなさんの専門分野にも生かせる観点・方法が必ず見つかるはず。ぜひブレークスルーの糸口にしてください!

ご期待に全力でお答えします。

 

◆ご案内の詳細

対象:2019月例会(第308回) 

特集:型式の正体2

日時:201929日(土)13:30  

会場:滋賀県埋蔵文化財センター・2階研修室  

http://www.shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

JR瀬田駅発滋賀医大行きの「帝産バス12:45」か「近江バス13:10」に乗車、「文化ゾーン前」下車がおススメです。

 

報告:

1川上 晃生さん|天理大学

〈タイトル〉琉球列島における弥生時代並行期の土器様相 ―「弥生系土器」を中心に―()

〈あらまし〉琉球列島の地域区分は考古学的に南島北部圏(大隅諸島)・南島中部圏(奄美、沖縄諸島)・ 南島南部圏(宮古、八重山諸島)に区分される。「南海産貝輪交易」が開始される弥生時代並行期の南島部圏を除く地域では、交易に伴って搬入された南部九州の弥生土器(九州系弥生土器)、沖縄諸島を中心に分布する無文尖底系土器(貝塚後期系)、九州系弥生土器の影響を受け、器形を模倣して在地で生産された沈線文脚台系土器(弥生系土器)が併存していることが時間的、地域的差異はあるものの確認されている。本発表では、主に奄美諸島を中心に分布域が認められる「弥生系土器」に焦点を当て、他地域の土器型式と比較したうえでその様相について整理する。

 

2河本 純一さん|大阪府文化財センター

〈タイトル〉縄文土器における材料選択の特殊性とその背景

〈あらまし〉縄文土器には、その胎土が広域にわたって共通している現象がたびたび見られる。この現象の原因となったであろう、当時の地域間交流のあり方を検討する。


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Ours-News-Preview! 近江貝塚研究会事務局からのご案内です。

 

6月例会の速報版です。研究史を振り返り、いかに有効な新起点を設けるか?それをどう展開させて果実を得るのか?ギリギリまで尽力する中で生じる試行錯誤の過程を共に学び、発表者のみならず、参加者各自の研究に相互に還元させていく機会を創出します。卒論・修論・博論で悩む学生さん、さらに伸びたい社会人、必聴ですよー。

 

より詳しいことは後日にまたご連絡。まずは、いますぐカレンダー・手帳に予定をご記入ください!

 

◆6月例会(第296回)特集:新起点から問う/その試行錯誤に学ぶ 

日時 630(土)13:30  

会場 滋賀県埋蔵文化財センター・2階研修室
  
 http://www.shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

 

報告1 河本 純一さん| 公益財団法人大阪府文化財センター |

〈タイトル〉北東北における縄文土器胎土の研究

〈あらまし〉青森・秋田・岩手の3県において、縄文土器の胎土研究がどのように進められてきたかを確認し、発表者が岩手県で得たデータを中心に、当地域の縄文土器胎土から何が分かるのかを検討する。

 

報告2 藤井 整さん| 京都府教育委員会 |

〈タイトル〉弥生墓制からみた古墳成立期の諸問題

〈あらまし〉古墳の成立が階層分化の終着点でないとすれば、楯築や赤坂今井と古墳の違いは何なのか。成立期社会の特質について考えます。 

 

ではでは!!  瀬口眞司


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Ours-News!          

近江貝塚研究会 第282回例会のご案内  

特集:土器の製作技術と胎土から読み解く縄文社会 

 

日時:2017年4月22日(土)
   午後1:30~午後6:00  

   〈報告60分+質疑60分〉×2本


場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室

   JR瀬田駅発滋賀医大(大学病院)行きバス 
   「文化ゾーン前」下車徒歩5分 

   (帝産バス12:45発もしくは 近江バス1305発の乗車がおススメです。)


参加費等:無料・事前申込不要

◆報告1:木村 啓章さん |大阪府教委|
     器種からみた縄文時代晩期前半の土器の様相

 (要旨)近畿地方における縄文時代晩期前半の土器を分析対象とする。深鉢、浅鉢の文様や製作技術を比較し、器種間の関係性を読み解くことで、晩期前半みられる器種構成の変化や深鉢の無文化・粗製化について検討する。またこれらの現象の意味する社会的背景についても考察を加えたい。

 

◆報告2:河本 純一さん |公益財団法人大阪府文化財センター|
     土器胎土から探る縄文社会の諸相(2)

(要旨)土器胎土が材料選択という製作流儀の反映でもある(単に製作地を反映しているわけではない)という視点から分析することによって、縄文社会の何がわかるのか、関西の縄文中期~後期の例から提示する。

_______ 

・懇親会(会費3000円前後)もあります。親交拡大にご活用下さい(JR大津駅前「養老の滝」の予定)。

・インフルエンザ等の流行などに伴い、急遽中止になることもあり。

怪しいときは090-1441-5104(瀬口眞司携帯)やブログで確認してください。
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◆6月例会(6/25・土)のご案内。先行ご案内〈速報版〉です。詳細は後日ご連絡します。日程・内容などの概要は以下の通り。とりあえずは、是非カレンダーにご記入ください!

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◆6月例会(第272回)  
 特集:レンズの向うに見えるもの 2016 


◆6月25日(土)13:30~ 
 滋賀県埋文センター・2階研修室
 

◆報告1

河本純一さん | 大阪府文化財センター | 

土器胎土から探る縄文社会の諸相

土器胎土が材料選択という製作流儀の反映でもある(単に製作地を反映しているわけではない)という視点から分析することによって、縄文社会の何がわかるのか、2、3の実践例から提示する。


◆報告2

林 竜馬さん | 琵琶湖博物館 | 

縄文時代以降の森と人の移ろいー琵琶湖地域における古生態学と考古学データの比較から

滋賀県における遺跡の古生態学データベースと考古学データの比較から、森と人の相互関係史を議論します。


お待ちしてます。  瀬口眞司


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 皆さん、こにゃにゃちわ。今回は、胎土を通して過去社会を洞察しようと挑んでいる男――河本純一さんの紹介です。河本さんは、今月の近江貝塚研例会(260th)で発表してくださる予定。発表テーマは〈縄文時代における「交流」「地域間関係」の研究史〉です。

 ご紹介におきまして、まず大事になるのはお名前の読み方!〈かわもと〉さんです。〈こうもと〉さんだと、お笑い系の人になっちゃうのでご注意。しかも〈純一〉さんですから。〈純粋〉なほうです。

 さて、この河本さん、京都大学大学院修士課程修了後、公益財団法人大阪府文化財センターにご就職。去年度からは震災復興支援のために岩手県へと出向中。関西では滅多に掘れないような縄文集落の調査に携わったり、全国から出向して来ている埋文関係者と交流ができたりして、“良いチャンスに恵まれている”とのこと。

 ・・うん、なるほど。よし、例会後の懇親会ではたくさんお話を伺おう。はるばる岩手から発表のために駆けつけてくれて、ありがとう!

 で、河本さんには、いま狙っていることをお伺いすると――“土器胎土という情報は、過去の社会を復元する上でどのように扱うことができるのか、産地同定とはまた別の視点から、その方法論的な整理をおこないたい。また、これと同時に全国の土器胎土カタログを作成中。流石に一人で全てを網羅することは難しいので、作成に協力して頂ける方が居ればありがたいです。”とのこと。

 うんうん、そうだよね。河本さんの〈凄み〉はここにあり、ですわ。その〈凄み〉の1つはね、全国の土器胎土カタログをコツコツ作成中というところですよね。しかも、ここでは言うてませんけれども、彼の本当の狙いは〈誰でも、どこでも〉出来るようにするということ。汎用性・普遍性と言うムズカシイところにも気を配ろうとしております。ここがポイント。これまでも毎年のように1年間の成果を発表してきてくれてますけど、そのたびに熱意と執着に心を打たれます。まじで。

 もう一つの河本さんの凄みは、〈胎土を研究する〉んじゃなくて、〈胎土を通して過去社会を洞察する〉ことに焦点を置いているところ。前回ご紹介の林さんとも通じてますよね。きらきら光るヤツの特徴はここだな。射程が深い。特に今回の発表は、ここのところの理論的整備を目指しているように見受けております。燃えるぜ!

 ともあれ、みなさん、この方も逸材ですよ。6月例会、ぜひともお楽しみに!! ではではー。
 6月例会のご案内はコチラ→ http://koukogaku.blog.jp/archives/1027109337.html
(瀬口眞司)

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