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近江貝塚研究会5月例会(5/19)のご案内

特集名は〈資源利用研究/次段階への道!〉。2人の大学院生が資源利用研究を次のステージへ展開させるべく挑戦します。(瀬口眞司) 

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◆第295回例会  

特集:〈資源利用研究/次段階への道!〉


日時:2018年5月19日(土)午後1:30~午後6:00  

〈研究報告60分+質疑応答60分〉×2本


場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室

http://shiga-bunkazai.jp/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

JR瀬田駅発 滋賀医大(大学病院)行きバス 「文化ゾーン前」下車徒歩5分 

(帝産バス12:45発 もしくは 近江バス1305発の乗車がおススメです。)

 

報告1:板垣 優河さん| 京都大学大学院 |

打製石斧の機能・用途研究

(要旨)縄文時代の遺跡からしばしば大量に出土する打製石斧は、一般的に土掘り用の石器として理解されている。しかしその出土量の多さとは裏腹に資料分析は充実しておらず、当時の経済基盤を支えた道具とみなされるも、生業研究の中では一括的に機能・用途が論じられることが多い。そこで本発表では、まず打製石斧の使用実験について報告し、作業で生じた痕跡をもとに石器の掘削対象土(砂質土・粘質土・ローム土等)や装着・操作法、使用頻度を推定するための評価基準を作成する。次に長野県を中心に出土資料の観察を進め、それぞれ遺跡における石器の使用状況について比較・検討する。なお、発表では野生根茎類の採掘技術に関する民俗例を示し、植物採集活動の視点から資料分析の結果を再評価してみたいと考えている。

 

報告2:佐藤 巧庸さん| 慶應義塾大学大学院修士課程 |

縄文時代前期の北陸地方におけるニホンジカの利用-鳥浜貝塚と小竹貝塚の比較を通じて-

〈要旨〉縄文時代においてニホンジカは主要な狩猟対象獣であり、食料や道具資源として利用され、遺跡からの出土量も非常に多いことから多数の研究が行われてきた。しかし、北陸地方においては総じて動物遺体の出土する遺跡が限られていたこともあり、地域的な検討が十分とは言い難い状況がある。そこで、本発表では縄文時代前期後葉の福井県鳥浜貝塚と富山県小竹貝塚出土ニホンジカを対象として、主に年齢査定と出土状況の分析結果について比較を行い、その結果から両遺跡におけるニホンジカの利用のあり方について検討を行う。二遺跡間におけるニホンジカの利用の比較を通じて、北陸地方で生活を営んでいた縄文人の生業の一端を明らかにすることが本発表の狙いである。

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・懇親会(会費 社会人3000円前後、学生2000円前後)もあります。親交拡大にご活用下さい(JR大津駅前「養老の滝」の予定)。

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